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製造業のDX化という拡大市場で、「日本を代表する企業」を目指す

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起業家一家で育ち、自然と視座を引き上げられた幼少期

アマテラス:

まず、橋本さんの生い立ちからお伺いします。現在に繋がる原体験のようなものがあれば教えてください。

株式会社コズム 代表取締役 橋本 優希氏(以下敬称略):

私の実家は起業家一家で、父は1代で会社を急成長させました。製造業や宿泊業、教育業など幅広い事業を手掛け、経営に取り組む父の背中を幼い頃から目にしていたので、家族の影響で自然に視座が引き上げられていた気がします。

両親の教育方針はかなりの放任主義で、自分が好きなようにやればいいというスタイルでした。特に帝王学を学ぶようなことはありませんでしたし、父が経営者として大変そうにしているところも見てきました。

それでも「サラリーマンではなく、会社を経営してみたい」という思いは消えませんでした。今でも時代に合わせてアレンジしながらではありますが、父の姿は私の経営者としてのロールモデルになっています。

学歴としては、中学校までは地元の公立校に進学し、高校と大学は慶応に進学しました。高校では、全くやったことがないものにチャレンジしてみようと、吹奏楽部に入りました。私も含めて、部員の8割が初心者だったのですが、顧問の先生に厳しく指導頂き、最終的に日本一までいくことができました。

練習を積み上げ、日本一を達成した部活動での原体験

橋本優希:

高校からの内部進学で慶応大学に入った後は、音楽サークルの活動に打ち込みました。ジャズのビッグバンドをしていて、私はサックス担当だったのですが、そこでも日本一になることができました。

「お前は下手なんだから、とにかくやれ。とにかく練習しろ」と高校時代から何度も言われていたのですが、その言葉通り、目の前のことをきちんとやっていけば成果に繋がることを当時、身を持って学びました。

また、その時の経験から「本気で取り組めば、自分は強いのだ」という自信を持つことができました。当時の原体験を一緒に共有したメンバーが、実は結構コズム社の仲間としても参画してくれているので、同じ経験を経てきた仲間の強さも実感しています。

さて、大学では、そんな感じでサークル活動に打ち込む日々が続いていたのですが、その分学業は疎かになっていました。就職を意識し始めた頃から、このままではまずいと気づき、幼い頃からの起業家に対する思いも相まって、ベンチャー企業のインターンシップを探し始めました。そのほうが自分に合っていると感じましたし、純粋に面白いと思ったのです。

そうして1社目のインターンを経て、次に飛び込んだのが当時流行っていたブロックチェーン関連のベンチャー企業でした。もともと音楽に打ち込んでいましたから、アートに関連した最新技術ということでNFTに関心を抱いたのです。

背伸びして取り組むことの大事さ、そしてコズム創業へ

橋本優希:

NFTを扱うベンチャーでインターンとして働いてみて驚いたのは、正社員ではないにも関わらず会社のかなり重要な意思決定にも関われることでした。それまでNFTという言葉の意味すらあやふやだった状態の私が、お客様先でブロックチェーンの開発やプロジェクトマネジメント(PM)の提案をしていたわけですから、かなりの背伸びが必要でした。

未知の分野だとしても、面白そうだと思ったら、飛び込んでやってみればいい。ノウハウが少なくても、その分時間をかけて、出来る準備を全てすればいい。目の前にある「できること」を、ひたすら全部やればいい。

 その時々の自分に出来ることの枠に囚われることなく、自分がイメージしている限界の壁を越えて取り組むことの大事さを、その時に学んだように思います。そういった経験を経て、4ヶ月後に大学卒業を控えた202011月に取締役CTOの内藤幹太と共同でコズムを立ち上げました。

ただその時の自分を振り返ると、起業そのものが目的になってしまっていたので、どんな市場に何のサービスを展開していくのか、事業を通じてどんな課題解決に挑むのか、といったことが定まっていませんでした。

バックグラウンドを活かし、製造業✕DXの市場に挑む

橋本優希:

会社を立ち上げたものの、さて、何の事業をしていこうか。そこで、今までの人生を振り返ってみたときにふと、幼い頃から自分は製造業との関わりが深かったことに気づきました。

複数社を経営している父が最初に手掛けたのが製造業の会社だったので、子どもながら工場に行ったり、会議している姿を見ていたりといった思い出があったのです。その記憶から、製造業の経営と現場の目線を踏まえながら、DXを提案できれば、価値を発揮できるのではないかという発想に行き着きました。

とはいえ、それだけでお客様からお金を頂けるかは定かではありませんでした。そこで、持ち前の「やってやろうじゃないか」精神で飛び込み営業を行い、インターンで経験したPMやコンサルティングの知見も活かしながら、仕事を獲得していきました。

約1年間実地でがっつり経験させてもらったおかげで、製造業のコンサルやDXコンサルのやり方を肌で学べたので、あとは自分の原体験と紐づけながら、現在のコズムが提供するソリューションの展開へと繋げていったかたちです。

 

自己資本での立ち上げと100%リファラルで集めた仲間達

アマテラス:

創業から今に至るまで、資金の問題や仲間集めなど様々な壁にぶつかってこられたのではないかと思いますが、どのように乗り越えてこられたのか、教えて頂けますか。

橋本優希:

コズムの立ち上げは家族からの借り入れを含めて、全て自己資金で賄いました。ストックオプション以外は100%株式を自社保有したいという考えが元々ありましたし、不確実性の高い状態から単一事業に全てつぎ込むエクイティ型のスタートアップには疑問があったからです。

加えて、安定した収益の見込が立つ事業がすでに合ったため、先端分野にチャレンジする”ソリッドベンチャー”的な経営に挑んだとしても、十分やっていけるのではないかという可能性を感じていました。そのため、創業資金に限らず、今に至るまでエクイティによる調達は一切行っていません。

仲間集めについては、ほぼリファラルからスタートしました。高校・大学時代の部活仲間やインターンをしていた頃の繋がりを活かして、ひたすらに声をかけました。たとえば高校の同期だった仲間は、大学をわざわざ辞めて、コズムに就職してくれました。リスクを取って一緒に歩んでくれるメンバーが多いのは本当にありがたいことです。

なぜ、そんなにも仲間が集まってくれたのか。理由としては、私達コズムが挑む製造業✕DX市場の可能性を感じてもらえたからというのが大きいのではないかと考えています。

製造業は、非常に高い生産高を誇る日本で最も大きな市場です。反面、国内どころか世界的に見ても生産性が非常に低く、DXが確実に求められています。そこに、大規模言語モデル(LLM)やAIをかけ合わせたソリューションを提案しているのが当社です。

個々の未来像と向き合い、熱量を込めてメンバーを口説く

橋本優希:

レッドオーシャンの市場であることは間違いないのですが、私自身のバックグラウンドと優秀なメンバーが切り開く先進的なアルゴリズムやシステムをかけ合わせれば、十分勝負はできると見積もっていました。とはいえ、最初は実績がないわけですから、そこを補えるのは代表である私の熱量だけです。

人の口説き方については、父から受け継いだ部分があると思います。父は定期的に様々な経営者や銀行の人たちを呼んで、音楽ライブを開くことで、業種を越えた母集団形成に取り組んでいました。そういう時、父は非常に情熱的な声かけをしていたので、その背中から自然と学んでいたように思います。

あとは、私が非常に尊敬しているサイバーエージェントの藤田晋氏が著書「渋谷ではたらく社長の告白」で書かれていた内容を意識した部分もあります。客観的に見たら根拠がないと言われようと、自信がある。だからこそ嘘のない範囲で、自分を大きく見せる。そんな父や藤田氏のやり方をなぞりながら、メンバーを一人ひとり、熱量込めて口説きました。

また、当社のメンバーは若年層が多いので、彼らのやりたいことや理想とするキャリアを実現する上で、コズムでの経験がどれだけ有用か、という説明はきっちりさせてもらいました。

創業メンバーのような立ち位置で、製造業✕DXという非常に大きな市場に対して、裁量を持ちながら経験を積めることがどれだけのレバレッジになるか。当社で働くことが目指すゴールを実現する上でどれだけ近道になるか、といったことを一人ひとりに語らせてもらっています。

初期から取り組んだ上場企業のプロジェクトとCTOの支え

アマテラス:

事業の立ち上げについては、どのように進められたのでしょうか。

橋本優希:

幸運なことに、創業初期の段階から上場企業の基幹システム関連のビッグプロジェクトに携わることができたので、メンバー全員が一丸となって、お客様の課題解決に向けて全力で取り組みました。

最初は分からないことだらけでしたが、取締役CTOである内藤のフォローに支えられて、一つずつ壁を越えていくことができました。そうやって課題解決に向けて力を尽くす度にフローやノウハウが確立されていき、事業が立ち上がっていきました。自分一人だったら何もできなかったと思うので、内藤には感謝しかありません

アマテラス:

内藤さんとの出会いや参画されるまでの経緯について教えて下さい。

橋本優希:

内藤とは、ブロックチェーンのベンチャー企業でインターンをしていた時に知り合いました。知り合った当時、彼は21歳の若さで7社も経験していて、受託開発からプロダクト開発、コンサルティングまで幅広い分野のノウハウを持っていました。

技術的に優れていることはもちろん、ビジネスもしっかり身に付けていて、何より面白い。非常に稀有な人だと思いました。

コズム社オフィスにて、CEO橋本氏(右)とCTO内藤氏(左)

「日本を代表する企業」に向けた採用強化と目標設定

アマテラス:

コズム社のメンバーは経営陣をはじめ、20代の若手が多いということで、年齢による壁などを感じられたことはありますか。

橋本優希:

製造業のお客様は、テクノロジーに明るい若手の意見を求めておられると感じます。今まで様々な案件に対応してきましたが、デジタルネイティブ世代ならではの強みを生かして、忖度のない提案が出来るという点も当社の強みだと感じています。

ただし、若いということは、すなわち経験が浅いということで、向こう見ずなチャレンジからミスが発生するケースがあるのも事実です。また、年齢から軽んじられたり、実力を疑われたりすることもあります。

私達、コズムは「日本を代表する企業をつくる」というビジョンを掲げています。目指すは売上1兆円。そこにたどりつくまで、モチベーションが途切れることはありません。コズムを推進する原動力はあり、市場も拓けてきて、事業も立ち上がってきている。

だからこそ、ここからさらに加速していくために、私達の事業をさらに経験で裏付けできる経験者層の採用を強化していく予定です。新規事業のアイデアは無数にあります。1つずつやりきっていくためには、採用の強化に加え、アイデアの取捨選択も重要になってきます。

また、エクイティの調達に頼らない資金繰りを今後も続けていくために、売上にもこだわっていきます。実際、来期の売上目標もかなり高めの設定なので、意図的に背伸びをしている状態です。背伸びした目標をいかに本気で実現していくか。それが、コズムにとってのセンターピンです。

個人としても組織としてもプロフェッショナルを目指す

アマテラス:

最後に、コズム社の今後の展望について教えてください。

橋本優希:

当社のビジョンを実現するためには「日本を代表する組織であるべき」と考えています。個々人がプロフェッショナルであると同時に、部署単位でもプロとして最強を目指す。その集合体としての組織こそ、私達が目指す「日本を代表する会社」だと思うのです。

現時点で、コズムには日本代表クラスのコンサルタントはいませんし、採用できる見通しもありません。ただし、日本代表クラスになりうるだけのポテンシャルを持った人を採用するという部分にはこだわってきたと思います。

地頭の良さとパッション、この2つを併せ持ち、かつ当事者意識を持って仕事に取り組めるメンバーをコズムでは求めています。そういう資質を持つ人なら、当社でワークしますし、何より働いていてものすごく面白いはずです。

なぜなら、自分の業務の全てが、会社のカルチャーやバリュー、ルールに繋がっていく感覚が持てるから。実際、現状(2024年4月現在)メンバーの4分の1は起業やスタートアップの役員経験者で構成されているので、オーナーシップを持って動ける人間が多くいます。

当事者意識を強く持ち、グローバル規模で様々な会社を見ながら、常に視座を高めていく。そういった意識の高いプロフェッショナル集団の一員として、今後確実に伸びていく製造業✕DXの市場を舞台に、フルスイングで戦っていくというのは、得難い経験でしょう。

コズムの役員は現状2名のみ。事業責任者の枠も沢山空いているので、これから参画する人にはチャンスしかないと思います。「日本を代表する企業を創業フェーズから一緒に作り上げていく」そんな最高に刺激的な挑戦を一緒にできる仲間との出会いを楽しみにしています。

アマテラス:

本日は貴重なお話をありがとうございました。

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